MIPSアーキテクチャ特有の低消費電力と高性能は、デジタル・セットトップ・ボックス、デジタルテレビやDVDレコーダなどのデジタル家電製品ではすでにデファクト・スタンダードとして知られている。だが、MIPSアーキテクチャは、ソニーのPlayStation® PortableやキヤノンのEOS Kissデジタルカメラ・ファミリーをはじめとする様々なポータブル機器製品でも幅広く採用されているのをご存知だろうか?
あらゆるポータブル機器においてDSPに対するオーディオ、ビデオ、そして他機能の性能要求が増大するとともに、当然のようにアプリケーション・プロセッサに求められる性能も益々増大する一途をたどる。この傾向は、メーカーがシステムやハードウェアの仕様とシステム構成を再検討見直すること余儀なくする。そして、その解となるのは、電池寿命などをより長くするだけではなく、豊富な機能の追加と各種資産の利用を最大限に可能で、システム全体のバランスをとることのできるマイクロプロセッサ・アーキテクチャなのである。
MIPSアーキテクチャは、バッテリー駆動の機器をターゲットとしているSoC設計において重要な低消費電力を実現している。MIPSアーキテクチャは、20年以上もの間、様々なアプリケーションに対応してきた。MIPS命令セットは、32本のレジスターファイルを使い、データを検索する際にキャッシュやメイン・メモリへアクセスする必要がない。ほとんどのタスクを実行するのに、わずかなクロック・サイクルで済むため低い動作周波数でも十分にシステムを動かすことが可能となる。したがってローエンドのMIPSコアであっても、低い消費電力、かつ最大限のマイクロプロセッサ性能を得ることができるのである。
ミップス・テクノロジーズは、アーキテクチャ・ライセンスを始めとして、最適化されたハードマクロ、そしてシンセサイザブル・コアのライセンスを供与している。これらの製品は、SOC設計の際にダイサイズの最小化や周波数の最大化、最大限のバッテリー寿命を実現するための電力構成など、非常に高い柔軟性を提供している。更に、MIPSの業界最高性能コア・ラインナップにより、システム構築に余裕を持たせることを可能となり、将来的なアップグレードをソフトウェアで容易に、かつ迅速に実装することができる。
MIPSコアとARMコアの比較を以下に記す。MIPS-Basedのコアは、業界標準のライブラリやメモリを電圧スケール技術なしで使用し開発されている。(全ての数値は、現在、ウェブサイト上で公開されているもの。全製品の構成はコアのみ)
| MIPS32® 4KEc™ core*1 | ARM 946EJ-S core*3 | |
| 最高周波数: | 242 MHz | 210 MHz |
| 最高性能値: | 370 DMIPS | 252 DMIPS |
| 消費電力: | 0.25 mW/MHz | 0.30 mW/MHz |
| ダイサイズ: | 1.7mm2 | 1.96mm2 |
| 電力効率: | 0.16 mW/DMIPS | 0.25 mW/DMIPS |
| MIPS32 24Kc™ core*2 | ARM 1136J-S core*3 | |
| 最高周波数: | 333 MHz | 333 MHz |
| 最高性能値: | 486 DMIPS | 400 DMIPS |
| 消費電力: | 0.50 mW/MHz | 0.80mW/MHz |
| ダイサイズ: | 3.7mm2 | 4.5mm2 |
| 電力効率: | 0.34 mW/DMIPS | 0.67 mW/DMIPS |
MIPSアーキテクチャは、様々なバッテリー駆動のポータブル機器で採用実績がある。キヤノン、カシオ、富士フィルム、富士通、JVC、ミノルタ、PENTAX、フィリップス、サムソンやソニーなどの大手メーカーが多数のMIPS-Basedのポータブル機器を出荷している。また、Raza Microelectronics (Alcehmy)、Broadcom、LSIロジック、NEC、フィリップス・セミコンダクター、サンプラス、Thrane and Thrane、東芝やZoranなどのMIPSライセンシーによって、革新的な低消費電力MIPS-Basedチップがポータブル機器向けに提供されている。
MIPS-Basedのポータブル機器採用事例に関しては、こちらをご参照ください。
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