プロセッサの性能の向上は組み込みシステムにとっては常に重要な課題です。Intelは2004年に、クロックの速度を追求するよりデュアルコアなどの方法の追求を行っていると発表しています。MIPS社においても、ハードウエア・マルチスレッド機能を持ったMIPS32® 34K™などの製品がリリースされ、組込みシステム製品開発でマルチプロセッサを利用することについての注目が高まってきています。
MIPS32® 34K™ コア・ファミリーは、既存の2ウェイSMP(対称性マルチプロセッシング)オペレーティング・システムとアプリケーションを最小限の変更で作動させることが可能です。また、それぞれが個別に独立して実行可能なスレッドを同時に実行する(“AMP”あるいは非対称マルチプロセッシング)環境でも使用が可能です。ThreadX/MTは、SMP形式に対応したRTOSです。
マルチプロセッサは、通信のためにインターネットを使用するような疎結合のものから、リソースを共有するような密結合のものまでさまざまな形があります。密結合のマルチプロセッサ形式のうち、すべてのプロセッサが同等でリソースを共有している形式を、対称型マルチプロセッサ(Symmetric Multi-Processor:SMP)と呼びます。このモデルでは、開発者に有益な特定のプログラミングアプローチや、RTOSを利用するアプリケーションに向いています。SMPに対応したOSを使用するアプリケーションは、プロセッサの個数を意識させること無くプログラミングすることができますので、特別な設計技術を使用しなくても、マルチプロセッサの性能を生かすことができます。
マルチプロセッサ対応のRTOSであるThreadX/MTは、すでにMIPS32 4K® コア・ファミリーに対応しているシングルプロセッサ用RTOSのThreadXをベースとし、MIPS32® 34K™ アーキテクチャに対応したRTOSです。ThreadX/MTは、複数のTC(ThreadContext)に自動的に処理を振り分けますので、プロセッサを効率よく使用する事ができます。また開発者は一般的なサービスコールでプログラミングすることができ、複数のTCを特別に意識する必要はありませんので、今までの設計方法をそのまま利用することができます。
ThreadX/MT for MIPS32® 34K™ なら、シングルプロセッサシステムと比べて向上した性能が提供でき、アプリケーション開発にかかる労力を最小限にします。開発者は少ない努力で高性能なシステムを実現することができますので、低消費電力化や短い“タイムツーマーケット”という厳しい要求をつきつけられる組み込みアプリケーションにとって、MIPS32® 34K™ を一層、魅力的なものにします。

「MIPS32」、「4K」および「34K」はMIPS Technologies, Inc.の登録商標もしくは商標です。その他の商標は全て各企業の商標もしくは登録商標です。